読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

限りなくブラックに近いブルー。

基本、月曜日更新。

物事に「絶対」などあり得ない。

両手を組み合わせた時、右の親指が上にくる人は猫派であり、左の親指が上にくる人は犬派である。
そう断言したのは、倫理・社会の教師。
大学で心理学を専攻していた彼にとって、それは常識的な話だったらしい。
ところが、物事には例外がある。
心理学といっても、実際には統計に基づくデータが中心だから、「右の親指が上にくるけど、私は犬派」が混ざっていても決して不思議ではない。
案の定、一人の女子生徒が「私は右の親指が上にくるけど、猫は嫌いです」と発言する。
あの時の教師の姿は未だに覚えている。
顔を真っ赤にして、本気で憤る姿は滑稽そのものだった。

物事には例外があり、世の中には絶対など存在しない。
「私は“絶対”××をしない」と言い張る人は基本的に信用出来ないし、その自信は何処から来るの?と問い詰めたくもなる。
心理学そのものには興味があるし、曲がりなりにも入門書を読んできたが、その都度感じるのは「絶対的な真実など存在しない」ということ。
統計的にそういう傾向が強いのだな、と理解することが大切なのだと感じている。
これは高校時代の経験が影響しているからに違いない。
中途半端に精通していた倫理・社会の教師にとって、「両手を組み合わせた時に右の親指が上にくる人は猫好きである」は絶対的真理であり、そこに例外が生じることなど考えもしなかった。
結果、生徒たちからの信頼を失い、それどころか取り乱す姿を晒す形になった。
彼は今でも「両手を組み合わせた時に右の親指が上にくる人は猫好き」と信じていることだろう。
一度擦り込まれた知識を書き換えることは困難であるし、現実を突き付けられた時ですら受け容れることが出来なかったのだから。