バレンタイン狂想曲

常備品をかいに、スーパーに行く。
前日に買い忘れた小麦粉も欲しかったし、出来ればバターも購入したい。
そんなことを考えていた私は、昨日が何の日であるかなどすっかり失念していた。
いや、バレンタインデーであることはわかっている。
チョコレート売り場が心なしか華やかだし、無塩バターも目立つ場所に並んでいる。
けれど、何故小麦粉の在庫がゼロになっていたのかが理解出来なかった。
というか、前日は普通に並んでいたじゃん。(重いので、強力粉のみを購入したのだ)
夕方には入荷予定とあるが、それにしては異常だ。
一体何に使うのだろう?と本気で思った。
そうか、手作りクッキー(ケーキかもしれないが)か…と思い付いたのはそれから数時間後の話。
チョコレートを作るにはテクニックもいるし、とてもじゃないけど初心者に作れる代物ではない。
けれど、クッキーだったら比較的作り易いレシピもあるし、失敗も少ない。
どうせ月曜日(そう、スーパーに行ったのは昨日のことだ)に渡すのだから、今日材料を揃えて作ればいいや…と思った女性が多数いたのだろう。
それにしても、見事な売り切れ状態だった。
ただ、肝心の無塩バター(お菓子作りには欠かせない材料の一つ)がさほど売れていなかったのが気になる。
クッキーにせよ、ケーキにせよ、慌てて小麦粉を買い漁る人が無塩バターを常備しているとはどうしても思えない。
同時にバター売り場も空っぽになっていたなら、「手作り派が多いのね」と合点がいくのに。
いずれにせよ、昨日は小麦粉が見事に売り切れていた。
これも集団心理の一種なのだろう。
波に乗れない私は冷ややかな目でそれを眺めている。