限りなくブラックに近いブルー。

基本、月曜日更新。

ゴーストシンガーに思う。

ゴーストシンガーについて書いた記憶がある。
明らかに本人以外の歌唱と思われる楽曲を耳にした瞬間、それなりに知名度の高い人ですらこうした事例があることに心底驚いたものだ。
尤も、ゴーストシンガーに遭遇したのはその時が初めてではない。
まだ私が中学生の頃、既にピークを過ぎたアイドルのレコードを購入したことがある。
歌番組等では何度か耳にしていて、それなりに気に入っていた歌だ。
ところが、いざ針を落としてみると聴こえてきたのは別人の声。
ヘビロテの習慣がない私ですら、その歌声が別人であることは明白だった。
念の為に当時の友人にも確認させたが、やはり別人の声だと認めていた。
どういった事情があるかはわからないが、せめて声質の似ている人に歌わせればいいのに。
いずれにせよ、私の気持ちは完全に醒めてしまった。
 
そんな出来事などすっかり忘れた頃、縁あって入手出来た音源がある。
一度聴いてみたかったアルバムの音源だ。
ベスト盤だった気がする。
当然、耳馴染みのある曲ばかりで、私は期待に胸を膨らませたものだ。
ところが、その曲が流れた瞬間、私は凍りついた。
決して熱心なファンではない私でも、その歌声が別人であることは容易に分かった。
気のせいであって欲しい…と何度か聴きなおしたが、残念ながらそうではなかった。
知名度の高い人たちだっただけに、理由はどうあれ、ショックだった。
と同時に、あれだけの人たちでもそういう扱いを受けることがあるのだと心底驚いたものだ。
 
先週の土曜日、私はとある駅構内にあるコンビニでペットボトル飲料を購入しようとしていた。
たまたま流れてきた曲に、再び凍りついた。
明らかに別人の声。
名曲であるが故に封印すら出来ない楽曲。
これを購入したファンはどんな心境だったのだろうか…と考えた時、何とも切ない気持ちになった。
かつて私が経験したように、遣り切れない思いで押しつぶされたことだろう。